Residence | 23.07
住み手が求めたのは、開放感よりも落ち着きのある住宅。
敷地は北側に駐車場があり、南側を3階建て住宅に挟まれている。建物に囲まれた環境の中で、落ち着いた空間を持たせつつも、穏やかな採光を確保するため、中庭をもつ平面計画とした。中庭へ向けた窓は重心を低く抑えることで、静謐な空間としたLDK。
造作家具はサペリの突版を使用することで住み手が好む色の濃い置き家具とのバランスをとれるようにした。
玄関から続くLDKはワンルームの空間であるが、玄関正面に畳コーナーを配置することによりLDKへのアクセスは雁行する動線となるため、緩やかに仕切られるような計画である。
開口部のない外観は、横葺きのガルバリウム外壁部分と、ポーチ部分に使用した木製サイディングと相まって柔らかい印象としている。
日々の喧騒を忘れられる落ち着いた空間で、お互いが共に過ごす時間の中に、中庭の木々がもたらす表情が住み手にとって豊かな暮らしとなる建築を目指した。