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屋内外問わず、居心地のいい場所づくりには植物の存在は大きいと感じます。
生け垣や、庭木に守られているような安心感。開口部からの、植物が風に揺れる姿や葉の音が安らぎになり、癒しとなる。 植物を室内に置けば、インテリアの一つとなり、空間を曖昧に仕切る役割を果たす。
住環境として植物の役割を考える。そこで作る生活空間は、建築物を飾るためだけのものではなく、使う人間と同等の存在として植物は共存していくことになる。

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東側のハイサイドライト際に植物を置く棚を住宅計画にいれ、植物に十分な陽当りを用意した。
そこに置かれた植物の葉色の緑は、天候や種類によって多様な濃淡を出し、彩りとして住まい手に与えてくれる。 植物を置くことで出来た余白によって、リビングでは奥行や高さを感じなから過ごすことができる。
時間をかけて、小さいものを大きく育て、15年ほど一緒に暮らしている植物や、新しく迎える植物の成長に応じて配置も変えられていく。
玄関土間から続く、ホールのモルタルと白い壁に置かれた花は、つぼみの頃から活けることで、開花し、散っていく姿で住人や、来客を送り出し迎えてくれる。

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植物の集合体ともいえる山や田園、草花が広がる原風景。 中でも山の姿は、天気や気温の変化、また、時間帯によって趣を変え、長閑さを与えてくれている。
住み手自身が作り上げた外周の芝は、初めて冬越えをした。 寒い時期の植物は、目を離してしまいそうなほどの成長で、それでいて、心配にさせる存在になっている。
玄関ホールに開けられた窓の内側には大きなオリーブが置かれている。外部からの視界を程よく緩和し、 葉や枝の隙間から光を穏やかに内部に注ぐ。時々、外に出し、直接太陽の光を浴び、風に吹かれてきたそれは、 カウンターほどの丈から随分と大きくなった。実が付くように相性を考え、もう1本増やして地植えにしようか計画もしている。

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松の幹肌に手が届きそうなほど傍に感じることのできる住宅の中では、成長した植物を、 分けて増やしていくことや、枯れていきそうな植物を再生させている。
手間を掛けただけの成果が見られないこともあるが、ほんの少しの変化が見て取れる時、 それが喜びになる。空間を彩る「植物」ではなく、同居人とし、育てるための空間として考えている。 想いはレイアウトに反映され、朝の光を浴びる窓辺には、ガラスの花器を集めている。
光の透過や反射の美しさ、植物の根の力強さ、これらの生命力から出る美しさを住み手に与えてくれる。

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